元々、スニーカーヘッズの間では、よくよく語られていた、アトモスの抽選は当たらない。横流しされている。この、まことしやかに囁かられていた話がついに公の話になるかもしれない。
アトモス創業者の本明秀文氏
本明秀文氏は香川県出身、1968年生まれ。スニーカーブームの黎明期の1996年に脱サラし、裏原宿に2.7坪の並行輸入店「チャプター(CHAPTER)」を開店。大学留学先のアメリカで得た人脈とサラリーマン時代に培った輸入のノウハウを駆使して、日本未発売のスニーカーを次々と輸入する事に成功し、ビジネスをすぐに軌道に乗せ、翌年、テクストトレーディングカンパニーを設立。
2000年に正規店として「アトモス(atoms)」をオープンすると、「ナイキ(NIKE)」との大型コラボや、様々なイベントを行い、一躍世界的なスニーカーショップへと成長。アメリカやアジアを中心に店舗を増やし、2021年8月期には売上高200億円を突破した。そしてその年の10月31日、世界最大のスニーカー小売店、アメリカのフットロッカーにテクストトレーディングカンパニーを3億6000万ドル(当時約400億円)で売却。売却後は、CEO兼CCOとして、「アトモス」などの経営を行ってきた。
告発発者の藤原一正氏
スニーカーの企画販売やイベント運営を行う「株式会社Calm」代表取締役であり、本明氏の右腕として約20年ほど、アトモスの別注スニーカーの企画・生産やイベント運営など多くの事業を任されていた間柄であった。
なぜ告発するに至ったのか
藤原氏曰く
「昨年5月に私が体調不良で倒れた際、本明は実妹を使って私の会社を乗っ取ろうとしてきた。代表権を巡っては現在も裁判中ですが、このとき、本明は利用価値がなくなれば誰でも簡単に切り捨てる男なのだと気づいたのです。
本明はアトモスを創業以降、さらにはアトモスをフットロッカーへ売却した後もレアスニーカーの横流しを行ってきた。私はビジネスパートナーとして目をつぶってきましたが、これらはフットロッカーに対する明らかな横領であり、ナイキへの背信行為です。スニーカー業界の未来のために、告発を決意しました」
CYD MAGZ 編集部の感想
1スニーカーヘッズとして、許せないという気持ちはもちろんありつつ、こういう横流しや、バックドアがスニーカブームを作っているのも間違いないな、という複雑な気持ちです。
プレ値チがついてない、店頭に仏に並んでるトラヴィスコラボをゲットして本当に喜べる方、今トラヴィスを欲しがってる方の何割くらいでしょうか。
ハイプだからかっこいい。そういう価値観の方、とても多いのではないでしょうか。
それが悪いわけではなく、ブームというものは、多数のいわゆるミーハー層がいる事によって成り立ちます。
非常に難しい問題ですが、真実が明らかになるのを楽しみに待ちましょう。
続報がありましたら、CYD MAGZでもまた取り上げさせていただきます。